フェリー乗り場がある元町から海沿いに、レンタカーを走らせること約30分。
差木地地区クダッチに到着した。
道に迷うこと数分。
交差点脇にようやく佐藤京子さんが切り盛りする、しまた土屋商店が見えた。
なぜ佐藤さんなのにしまたと土屋?
書店なのに商店?
という疑問はさておき。書棚を見渡すとマンガがずらり。
「LOVE書店!」誌上で紹介した、書籍がメインの成瀬書店&雑誌が豊富な冨士屋書店と並んで、
大島の書店にはそれぞれカラーがある模様。
そう人口の多い島ではないのに、欲しいジャンルに合わせて書店を使い分けられるとは。
なんとぜいたくな!
実はこの付近に小学校から高校までと自動車教習所があるため、来店者の多くが若者。
必然的にしまた土屋商店は、マンガ中心のラインナップになったようだ。
文具店も兼ねているせいか、棚の上にはなつかしのアサヒ靴の上履きが。
ゆったりと時間が流れる大島だからこそ、お目にかかれたデッドストックの数々。
しかし下段に目をやった瞬間、そんなノスタルジックな気持ちは一気に吹き飛んだ。
京子さんお手製の「花より男子」と、その隣には立ち読み禁止のポップがあり、
これをよーく読むと、"座り読みはアホ"とまで書かれていたのだ……。
そして店内いたるところに立ち読みや万引きをいさめるポップが貼られていて、
どれも結構カゲキな内容になっている。
「キツい口調のものは、遊びに来た小学生達が書いたんですよ」
あははと笑いながら京子さんが教えてくれた。
先代が店を構えてから約20年。
しょっちゅう顔を見せる地元の学生達は、京子さんにとって友達みたいなものなのだ。
彼女を慕い、お店の役に立ちたいと思う彼らの気持ちが
"お客さん参加型ポップ"という形になっている——。
店主&客による客のためのポップは、
ふざける生徒に学級委員長が注意するようなもの。
だから厳しい口調になっても、どこかに愛が漂っているのだ。
店と顧客が心地よい距離で結ばれている。
それが、島の書店。
次はどこに行こうかな?
それでは春を迎えた頃に、再び「LOVE書店!」でお会いしましょう。
取材/朴順梨 撮影/今井一詞

