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第6回岡田圭右さん(ますだおかだ)インタビュー

写真:岡田圭右さん(ますだおかだ)

岡田圭右 (ますだ・おかだ)

1968年大阪生まれ。2002年 第2回M-1グランプリ2002 優勝、2002年「第37回上方漫才大賞」大賞 「笑いの金メダル」「ますだおかだの出たぁトコ勝負」などTVや、 「オールナイトニッポン金曜日」などラジオでも活躍。
【ライブの予定】
「漫才しろ!ますだおかだ〜ほな10本まあ1時間」
・日時:東京11月17日(金)、大阪12月4日(月)
・問い合わせ:松竹芸能 TEL03−3545−1544

——  本は子供のころからお好きだったとか……。

小さいときから家の中がちょっとした本屋のようになっていました。兄と私とのですけど。何かあると直ぐご褒美に本を買ってくれる親だったんです。例えば歯医者さんで泣かないで治療できたら本を買ってくれるとか……。私もお菓子よりも、本を読んだり、自分で物語を作るのも好きでしたから良かったです。

—— 学生時代の読書の思い出は何かありますか?

実は、子供の頃から母親に「本を読め、読め」と言われて育ちまして。ほら、子供って親のいうことに反発するじゃないですか。だから全く読まなかったんですよ。唯一、読んだ覚えがあるのが星新一さんの「きまぐれロボット」「アンネの日記」です。

—— どうやってお選びになりました?

いや、夏休みか何かの課題が出された時、本屋さんで読みやすそうなものを選んだんです。とくに「きまぐれロボット」ですね。ショートショートですけどこれが結構面白くて、「ああ、本を読んだなあ」という達成感があったんです。小学校6年生ぐらいだったと思います。

—— その後は、読書にはまったとか。

では、なかったですけど。実家が喫茶店だったこともあって、マンガが読み放題で。「ドカベン」とか父親がマンガの単行本を集めてました。ジャンプ、マガジン、チャンピオン……週刊誌は毎週読んでました。

—— 最近、本をたくさん読むようになったそうですが。何かきっかけがあったのですか?

「東京タワー」を読んで泣けた。感動した。という方が多くて「ほんまかいな」と思ったんです。映画や、テレビドラマで泣くのはわかるけど、本を読んで人が泣くなんてとても信じられなかったですね。ところがいざ読んでみると、これが泣ける泣ける。とくに後半は泣きっぱなしでしたね。

—— どのあたりが印象に残っていいますか?

本の中のオカンが、自分の母親と似たタイプなんです。古き良き日本のオカン像を思い出させてくれます。というか母親とダブるところが多いんです。「東京タワー」のオカンは一所懸命働いて、耐えて、がんばる人。息子の知り合いを家に呼んでごちそうするのが大好きですね。そういうところがそっくりで。オカンが亡くなる悲しい話ですけど、不幸が起こってもどこかからっと明るい。親孝行しなきゃなあと、どこか明るく説得されている気がしました。すがすがしく泣ける感じでしたね。

—— オトンはどう思います?

昔の父親ってみんなあんな感じでしょ。うちの親父も破天荒なところが似てました。あまり悪い父親とは思わないです。

—— それからですね。本格的に読むようになったのは。

そうです。「泣ける本」を探しました。もう「泣ける本」がないか、周りの人に聞きまくりました。泣けるといっても、ただ暗くて、悲しいだけの救いのない本はいやなんです。泣けるけれどどこか、明るく救いがある話がいいですね。

—— 今まで、そうやって読んだのはどんな作品でしょうか?

共演のタレントさん達に色々「いい感じで泣ける本」を聞きましたね。玉袋筋太郎さんには、重松清さんの「その日のまえに」を薦めていただきました。子供をもつ親だったらしみじみと読める本だと教えていただきました。愛する人の死から、幸せの意味を見つめるという短編集ですが、まさに重松ワールドというか、感動の世界ですね。
あと、レッド吉田さんからは、「カシコギ」を進めていただきました。これは、韓国で160万部を突破したベストセラーです。白血病の息子のために、必死に治療費を集める死にものぐるいの親子の愛情物語。よかったのは最後の別れのシーンですね。これは涙の量もかなり出ましたね。

—— 本日、本を持ってきていただいてますが、、、

「ハッピーバースデー」です。本の帯に「百万人が感動した」と書いてあって。書店入るときに泣ける本を探していましたから、帯は特に注目しています。「百万人とは、大口たたいてるんじゃないか」と思いましたけど。いざ読んでみると、「これは一千万人が感動するだろ!」と思いました。百万人どころじゃないだろう、と思いましたね。今日、取材があるというので、読み返していたらまた感動して泣いてしまいました。

—— どんな場面が感動しましたか?

自分の涙で波打っているページがあるんですが、今度も同じところで泣いてしまいました。
秀才の兄、できのよくない妹のあすか。兄を溺愛する母親と兄からも「お前生まれてこなきゃよかったな」と言われ、あすかは精神的に追い込まれついに声が出なくなってしまいます。やがて、おじいしゃんとおばあちゃんにあずけられることになりますが、おじいちゃんの存在がいいですね。

—— おじいちゃんとあすかちゃんの交流の場面ですか?

僕は、祖父がいなかったのでおじいちゃんとあすかが触れあうシーンはぐっときます。落ち込んだときは、空に向かって深呼吸すればいい、とか優しく育てられて……。人の温かさ、木のぬくもり、自然の豊かさがあるところでだんだんあすかは立ち直っていきます。
実は、あすかをいじめていた母親にも、子供の頃に同じような経験があったことがわかってくるんです。子を持つ親として読むと、涙も 20〜30%増量しますね。

—— そしてもう1冊が「甲子園への遺言−伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯 」

NHKの津田投手のドキュメントを制作されたディレクターの方から、紹介して頂いた本です。自分自身が野球をやっていたところもあっておもしろかったですね。僕は、野球やってる時もどうやって手を抜こうかという方だったのでだめですけど……。

—— イチロー選手、田口選手、小久保選手のほか30名以上のタイトルホルダーを育てたという伝説のコーチですね。

なにしろ自分が情けなくなるほどすごい人ですね。僕は、努力とかひたむきにがんばることが欠けてますから。しんどいことから逃げるし……。ところがこの高畠コーチはプロ野球で、バッティングコーチとしてすごい実績を残しながら「高校野球の監督になりたい」という夢を追い続けた。目標に対してそこまでストイックにがんばれる。そこに感動しますね。
 選手時代の実績はいい数字を残してないですが、理論とハートの両方をもっていたんでしょうね。だから、ほとんどの球団からオファーがきたんでしょうね。学校の教師として3年間やってからでないと監督はできないらしくて。結局、膵臓ガンで、夢の直前に亡くなってしまう。感動の人生です。

—— 本屋大賞はご存知ですか?

「東京タワー」を買うときに、帯に書いてあったし、popとか、ポスターとかで見かけましたから。
本ってみんなどうやって買ってるんでしょうね。やっぱり、本屋へいって帯とかpopとかやっぱり参考になりますね。よく、帯に「私のマイベストセラー第一位です」「泣けてしかたなかった」「感動して涙が止まらない」「心の本棚にしまっておきます」とか、読書のコメントが入ってますが、「泣ける」と書いてあると買ってしまいますね。

—— 行きつけの本屋さんはありますか?

よく行くのは渋谷ですね。でも、書店員さんとはちょっと話す勇気はないですね。やっぱりいろいろ詳しいでしょうか?

—— それは、書店員さんはプロですから。あといろいろ担当も決まってますし。

「『ハッピーバースデー』のような、"泣ける本"を探しているんです! なんかいいのありますか?」とか、聞けばいいんですね。じゃあ、今度勇気をだして聞いてみようっと。

—— 読書はどういう場所でしますか?

新幹線、飛行機の移動中が読書の時間ですね。今、子供がいるので家で読めないんですよ。子供がばたばた走ってとても読める環境じゃないです。理想はですよ。寝る前に、ちょっとおしゃれなスタンドを置いて、高級なパジャマを着て……。

—— ますがおかだ の活動予定はいかがでしょうか?

東京(11月17日新宿明治安田生命ホール)と大阪(12月4日難波ワッハホール)で、ソロライブをやります。タイトルは「漫才しろ!ますだおかだ〜ほな10本まあ1時間」。みなさんぜひ観にきてください。

「きまぐれロボット」星新一/作 和田誠/絵(理論社) 「きまぐれロボット」星新一/作 和田誠/絵(理論社)

「アンネの日記」アンネ・フランク/著 深町真理子/訳(文藝春秋) 「アンネの日記」アンネ・フランク/著 深町真理子/訳(文藝春秋)

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー(扶桑社) 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー(扶桑社)

「その日のまえに」重松清/著(文藝春秋) 「その日のまえに」重松清/著(文藝春秋)

「カシコギ」趙昌仁/著 金淳鎬/訳(サンマーク出版) 「カシコギ」趙昌仁/著 金淳鎬/訳(サンマーク出版)

「ハッピーバースデー」青木和雄/作 吉富多美/作(金の星社)「ハッピーバースデー」青木和雄/作 吉富多美/作(金の星社)

「甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯」門田隆将/著(講談社)「甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯」門田隆将/著(講談社)