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北川景子 ((きたがわ・けいこ)
86年8月22日生。兵庫県出身。NTTドコモCM「 DoCoMo2.0」などCMの他、映画出演多数。「間宮兄弟」、「水に棲む花」、ハリウッド映画「ワイルドスピードX3: TOKYO DRIFT」、「チェリーパイ」(主演)、「Dear Friends ディア フレンズ」(主演)、近日公開の映画「そのときは彼によろしく」6月2日(東宝)に出演している。
—— まず、学生の頃で今でも心に残っている作品はありますか?
三浦綾子さんの作品ですね。中学の時だと思いますが、キリスト教系のミッションスクールに行っていたので、キリスト教の要素のある作品に興味を持ちました。
—— 具体的には?
「氷点」ですね。人間が生まれながらにして犯している罪「原罪」を、クリスチャン作家ならではの問題提起をして話題になりました。まず「氷点」ですが、クリスチャンで医師の辻口は娘を殺した殺人犯の娘を、「汝の敵を愛せよ」というキリスト教の言葉を実践し養女にします。しかし実は、自分を裏切っていた妻への復讐のためだったという。ドロドロの家族関係のドラマです。何度もTVドラマになっているのでご存知の方も多いと思います。それまで、赤川次郎さんとか読みやすいミステリーを読んでいたので、この人間ドラマには引き込まれました。
—— 三浦さんの作品でもう一作あげていただくとすると?
「塩狩峠」です。これは、「犠牲の愛」の話です。
塩狩峠にさしかかった時、客車が暴走し始めた。しかも客車には自分の愛する女性と多くの乗客が乗っている。そしてその客車を止めるには、主人公が電車の下敷きになって体でもって止めるしか方法はない……。好きな人のために命を捨てるというのは難しいと思うんですが、この主人公の勇気に感動しました。
—— それでいろんな本を読み出したんですね。
たとえば、重松清さん。「きよしこ」「ビタミンF」「ナイフ」「流星ワゴン」とかですね。なかでも面白かったのは「疾走」ですね。
ある中学生の男の子が青年になるまでの話です。彼の兄が放火犯になり家に居づらくなり、出ていった先でヤクザと知り合ってしまいどんどん悪の道の方にいってします。生きるのって辛い、と思いますね。
私は辛い時にはハッピーエンドのものでははく、辛い話というか、重い話を読んだ方が元気がでます。そういう意味で共感を覚える本でした。
—— それから恩田陸さんもお好きなんですね。
「六番目の小夜子」「麦の海に沈む果実」とか……。一冊あげるとすると「ライオンハート」。
この作品は、17世紀、19世紀、20世紀と時を越え、空間を越えて何度も出会う男女のラブストーリーなんです。
時代をいったりきたりする、描写ですけど。ファンタジーというかSFというか、ありえない系の話なんです。普段は、そういうファンタジー系の話ってだめなんですが、恩田陸さんの作品だけは入りこめましたね。
文体が独特で、絵本を見ているように描写してますね。あと文章も短くわかりやすいからでしょうか?
—— その他ではどうでしょうか?
村山由佳さんの「おいしいコーヒーの入れ方」。シリーズで8巻あります。父の転勤で、年上の従兄弟のかれんと同居することになった高校三年の男の子。久しぶりに再会すると美しい女性になっていて、ふたりは強く惹かれあってゆく……というお話。二人は悩みがあると、カフェのマスターに相談しにいくんです。軽めのお話ですが好きなシリーズです。村山さんだと、「天使の卵」「BAD KIDS」「翼」も好きです。
あと、石田衣良さん。「うつくしい子ども」とIWGP「池袋ウエストゲートパーク」ですね。
—— 最近、読んだ本というと?
「メンデ」は奴隷になった女の子の過酷な半生を描いたノンフィクションです。アフリカ最大の国スーダンでは、いまだ「奴隷制度」が存続するという、過酷な状況にあります。メンデは12歳の時にアラビア人に奴隷として売られたが、その後逃亡することができ、2002年イギリスへの亡命が認められました。
亡命が認められたのが2002年ということからも分かるように、本当につい最近のことで、怖いですね。こんなことが今だにあるなんて。
もう一冊ノンフィクションで「生きながら火に焼かれて」。これも怖いですね。恋愛はしてはいけないという村の掟に背いた17歳の少女が、本当に火に焼かれたお話。女性が、普通に虐待を受けたりしている地域があるのは驚きです。
—— 小説では最近、面白かったものは?
桐野夏生さんの「OUT」です。実は、桐野さんの作品は初めて読みました。
深夜の弁当工場で働く4人の主婦がでてきますが、まず、驚いたのが登場する人物が、それぞれ全く違うキャラクターをもっていて、今でもそれぞれの人を思い描くことができるくらいしっかりと描き分けられていることです。
お金もないのにブランド品を買ってしまう人、姑の世話が大変でお金がない人……、4人とも事情があって皆お金が必要なんです。犯罪に関わるようなことはしないような人たちで、最初は仲間を助けようとしただけだったんです。しかし、だんだんお金のために、仕事と割り切って危ないことに手を出してしまうようになります。その心理描写がうまいなあと思いました。
—— ひとつ気に入ると同じ作家さんを続けて読む方ですか?
そうですね。桐野夏生さんの本はこれからも読んでいきたいと思います。
—— 他の作家さんでは何かありますか?
村上春樹さんの翻訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」をちょうど今読んでいるところです。中学生の時に読んだのですが、難しくてよく意味がわからなかったんです。でも、今回の村上訳はスラスラ読めて、面白いですね。まだ、最後まで読んでないですが。
—— 北川さんの近況をおしえていただけますか?
市川拓司さんの小説「そのときは彼によろしく」が、映画化されますがその作品に出演させていただいています。6月2日から東宝系劇場で公開予定です。
将来の夢を誓い合った3人が、13年後に運命の再会を果たしそこから起こる奇跡の物語。小説とは違ったラストシーンが用意されています。私は、塚本高史さんの彼女役ででています。
—— お読みになる本はどうやって探しますか?
本屋さんの新刊コーナーとかを、「重松さんの新刊でてないかな……」とか思いながら、見て歩いてますね。平積みのものはもちろん、POPやポスターもチェックします。新刊を見終わったら、文芸書の棚のほうに回ります。
—— よく通っている書店はありますか?
特定の本屋さんというのはないですが、大きい書店に行く機会が多いです。本を選ぶときは、インターネットでよく本のレビューとか参考にします。そこで気になった本を書店で買うというのがパターンですね。
—— 本屋大賞はご存知でしたか?
知りませんでした。「夜のピクニック」は読みましたが。
—— よく本を読む場所はどこですか?
普通に自分の部屋のベッドの上とか、あと電車の中が多いですね。
—— 本日はありがとうございました。
「氷点」三浦綾子(主婦の友社)
「塩狩峠」三浦綾子(新潮社)
「流星ワゴン」重松清(講談社)
「ライオンハート」恩田陸(新潮社)
「キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方〈1〉」村山由佳(集英社)
「メンデ-奴隷にされた少女」メンデ ナーゼル 、 ダミアン ルイス 、真喜志 順子 /訳(ソニーマガジンズ)
「OUT」桐野夏生(講談社)
「キャッチャー・イン・ザ・ライ 」J.D.サリンジャー 、村上 春樹 /訳(白水社)
「そのときは彼によろしく」 市川 拓司 (小学館)
「夜のピクニック」恩田 陸(新潮社)