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『発掘部門』投票結果 2020年本屋大賞

洋の東西、ジャンル、さらに刊行の新旧を問わず、書店員が「売りたい」と思った本、常日頃から思っている本を推薦。バラエティ豊かな本が集まりました。

【発掘部門とは】
ジャンルを問わず、2018年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選びました。さらにその中から、これは!と共感した1冊を実行委員会が選出し「超発掘本!」として発表しました。

2020年発掘部門「超発掘本!」

『無理難題が多すぎる』表紙

『無理難題が多すぎる』

文春文庫


●推薦者
山口榛菜/岡本書店恵庭店(北海道)
●推薦コメント

毒にも薬にも、ならない一冊。
終業後、売り場の棚をぼーっと眺めていて、タイトルに心を動かされ、数年前に手に取った。ストレスの多い現代社会において『無理難題が多すぎる』そう感じている人は多いと思う。

そういう人たちにこそ、届いて欲しい、
哲学者の土屋先生による、特にありがたくはないお言葉の数々。
等身大で、クスリと笑えて、特に救われない。
でも、なんとなく、ダメな自分が、そのまま、
ダメなままで、生きていてもいいような気がする。
そんな優しいエッセイです。

昨年、お店で積んでみたところ、大変よく売れました。
手書きの看板に「毒にも薬にもならない」と、デカデカと書いたのに。

価値観が揺さぶられるような本も良い。
鳥肌が立つような本も、涙が出るような本も良い。

でも、そういう本ではないけれど、
なんか、ちょっといい気分になる。
何故かちょっと、心が楽になってるかもしれない。
そんな本が、沢山の人のもとに、届けばいいなあと。
そう思って推薦させていただきました。


●著者
土屋賢二
●お礼のことば

 このたびは「超発掘本」に選んでいただき、まことにありがとうございます。
 これまで皆勤賞からノーベル賞まで、一切の賞とは無縁でしたので、「受賞を潔しとしない清潔・孤高の文筆家」として生き、「失意の文豪」として死んでいこうと覚悟した矢先でした。しかも今をときめく「本屋大賞」の一つですから、大変光栄なことと思っております。
 『無理難題が多すぎる』が「超発掘本」に選ばれるには、埋もれていなくてはなりません。この点、この本は、わたしのすべての本と同じく、発売と同時に埋もれてしまった本です。これに目をつけてくださった山口榛菜さんの慧眼と見識に敬服するばかりです。
山口さんは、おそらく新型コロナの影響で他にすることもなく、店内にポツンと売れ残った一冊をどう処分するか、困っておられたとき、手に取ってみて、これほど毒にも薬にもならない本が堂々と発売されていることに驚かれたのではないでしょうか。そのときは、宝石の山の中からただの小石を見つけたような、ツルの群の中にハキダメを見つけたような気になられたことと思います。
 あいにく、新型コロナの影響で、この受賞がかすんでしまう恐れもあります。わたしの本はどれも、発売を待っていたかのように、震災が起きたり、パンダの子どもが生まれたり、芸能人の不倫が発覚したりで、売れ行きを阻まれてきました。なので不運にはなれています。売り上げには結びつかなくても、機会あるごとに受賞したと吹聴させていただきます。
 今後も書き続ける勇気をいただきました。ありがとうございました。

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2020年発掘部門「発掘本!」全リスト
タイトル 著者名 出版社名
無理難題が多すぎる 土屋賢二 文春文庫
花の下にて春死なむ 北森鴻 講談社文庫
祇園怪談 森山東 角川ホラー文庫
青少年のための小説入門 久保寺健彦 集英社
50%のユーレイ 長山新 双葉文庫
奇跡の人 原田マハ 双葉社
アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス ハヤカワ文庫NV
誰かと暮らすということ 伊藤たかみ 角川文庫
君の嘘と、やさしい死神 青谷真未 ポプラ文庫ピュアフル
クレイジー・クレーマー 黒田研二 実業之日本社文庫
闇に香る嘘 下村敦史 講談社文庫
猫といっしょにいるだけで  森下典子 新潮文庫
きみはいい子 中脇初枝 ポプラ文庫
数学の想像力 加藤文元 筑摩選書
盲目的な恋と友情 辻村深月 新潮文庫
日本奥地紀行 イザベラ・バード 平凡社ライブラリー
世界を売った男 陳浩基 文春文庫
本にだって雄と雌があります 小田雅久仁 新潮文庫
幻想古書店で珈琲を 蒼月海里 ハルキ文庫
大いなる助走 筒井康隆 文春文庫
どかんかい 張り手一代 前田山英五郎 今田柔全 BABジャパン
夏のロケット 川端裕人 文春文庫
ハッピー☆アイスクリーム 加藤千恵 集英社文庫
阿房列車 漫画:一條裕子、原作:内田百閒 小学館
オヨヨ島の冒険 小林信彦 角川文庫
負け逃げ こざわたまこ 新潮文庫
神様が降りてくる 白川道 新潮文庫
夏の約束 藤野千夜 講談社文庫
スリー・アゲーツ 五條瑛 小学館文庫
碧眼の少年 前田珠子 コバルト文庫
サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ 正垣泰彦 日経ビジネス人文庫
張り込み日記 渡部雄吉 ナナロク社
ビラヴド  トニ・モリスン ハヤカワepi文庫
薔薇の名前 ウンベルト・エーコ 東京創元社
三軒茶屋星座館① 冬のオリオン 柴崎竜人 講談社文庫
のっぺら 霜島けい 光文社
バイバイ、ブラックバード 伊坂幸太郎 双葉文庫
愛なき世界 三浦しをん 中央公論新社
ギンカムロ 美奈川護 集英社文庫
リライト 法条遥 ハヤカワ文庫JA
洛中洛外画狂伝 谷津矢車 徳間時代小説文庫
ウェルカム・ホーム! 鷺沢萠 新潮文庫
双頭の悪魔 有栖川有栖 創元推理文庫
忘れ物が届きます 大崎梢 光文社文庫
介子推 宮城谷昌光 講談社文庫
マレ・サカチのたったひとつの贈物 王城夕紀 中公文庫
31歳ガン漂流 奥山貴宏 ポプラ文庫
原民喜童話集 原民喜ほか イニュニック
「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由 汐街コナ著、ゆうきゆう監修 あさ出版
神さまを待っている 畑野智美 文藝春秋
おしょりん 藤岡陽子 ポプラ社
ガン・ロッカーのある書斎 稲見一良 角川書店
鬼の蔵 内藤了 講談社タイガ
マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ 古内一絵 中央公論新社
大正の后 植松三十里 PHP文芸文庫
リヴィエラを撃て 髙村薫 新潮文庫
Masato 岩城けい 集英社文庫
人はなぜ物語を求めるのか 千野帽子 ちくまプリマー新書
365日、おいしい手作り! 「魔法のびん詰め」 こてらみや 王様文庫
夏空白花 須賀しのぶ ポプラ社
幸せなひとりぼっち フレドリック・バックマン ハヤカワ文庫NV
大阪ばかぼんど 夫婦萬歳 黒川博行 幻冬舎文庫
快挙 白石一文 新潮文庫
ラバー・ソウル 井上夢人 講談社文庫
たった、それだけ 宮下奈都 双葉文庫
この恋は世界でいちばん美しい雨 宇山佳佑 集英社
フリッカー式 佐藤友哉 講談社文庫
悪文 岩淵悦太郎 角川ソフィア文庫
これで古典がよくわかる 橋本治 ちくま文庫
ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記 1 かすがまる レジェンドノベルス
その日、朱音は空を飛んだ 武田綾乃 幻冬舎
みにくいアヒルの子 水橋文美江 幻冬舎
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった 山口悟 一迅社文庫アイリス
由熙 ナビ・タリョン 李良枝 講談社文芸文庫
ノーフォールト 岡井崇 ハヤカワ文庫JA
えんとつ町のプペル にしのあきひろ 幻冬舎
イヤシノウタ 吉本ばなな 新潮文庫
子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話 平光雄 致知出版社
夏の裁断 島本理生 文春文庫
ダーウィンの覗き穴 メノ・スヒルトハウゼン 早川書房
無貌伝 望月守宮 講談社ノベルス
怪物 福田和代 集英社文庫
みをつくし料理帖 髙田郁 ハルキ文庫
爆撃聖徳太子 町井登志夫 PHP文芸文庫
小さなわらいばなし さとうわきこ ポプラ社文庫
名も無き世界のエンドロール 行成薫 集英社文庫
もたない男 中崎タツヤ 新潮文庫
地獄の奇術師 二階堂黎人 講談社文庫
敗れざる者たち 沢木耕太郎 文春文庫
燃えよ、あんず 藤谷治 小学館
6時間後に君は死ぬ 高野和明 講談社文庫
千年鬼 西條奈加 徳間文庫
リセット 北村薫 新潮文庫
テンペスト 池上永一 角川文庫
胡桃の中の世界 澁澤龍彥 河出文庫
ガラスの靴 エリナー・ファージョン 新潮文庫
神のロジック人間のマジック 西澤保彦 文春文庫
忘れられた花園 ケイト・モートン 創元推理文庫
氷の海のガレオン/オルタ 木地雅映子 ポプラ文庫ピュアフル
Land Land Land 岡尾美代子 ちくま文庫
幻視時代 西澤保彦 中公文庫
しあわせの書 泡坂妻夫 新潮文庫
毒入りチョコレート事件 アントニイ・バークリー 創元推理文庫
メイン・ディッシュ 北森鴻 集英社文庫
石の庭園 モリー・モイナハン 中央公論新社
民子 浅田次郎 角川書店
小春日和 金井美恵子 河出文庫
ロスト・ケア 葉真中顕 光文社文庫