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『発掘部門』投票結果 2023年本屋大賞

洋の東西、ジャンル、さらに刊行の新旧を問わず、書店員が「売りたい」と思った本、常日頃から思っている本を推薦。バラエティ豊かな本が集まりました。

【発掘部門とは】
ジャンルを問わず、2021年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選びました。さらにその中から、これは!と共感した1冊を実行委員会が選出し「超発掘本!」として発表しました。

2023年発掘部門「超発掘本!」

『おちくぼ姫』表紙

『おちくぼ姫』

田辺聖子(著)角川文庫

●推薦者
高橋あづさ/未来屋書店名取店 (宮城県)
●推薦コメント

品出しの作業中に、ふとタイトルに目が行きました。そして、高校時代に読んだこの作品の思い出が蘇ってきました。
高3の受験生時代、なぜか自宅の本棚にあったこの作品をたまたま読んだのです。そして、その直後に受けた模試の古文の問題文が「落窪物語」。読みたてほやほやの私は淀みなく解答することが出来、なんと古文だけ満点を取るという偉業を達成させたのです。そんなことから、おちくぼ姫は私にとって特別な存在になりました。しかし大人になってすっかり忘れていた私に、本当に突然また姿を現しました。言うなれば運命の再会です。
改めて読み返してみると、今流行りの和製シンデレラストーリーではないですか。しかも、単行本の初版は私とほぼ同い年。それだけの年数が経っているにも関わらず、文章が全く色褪せていない。これぞ名作だと言える作品です。古典文学はハードルが高いけれど、このような現代語訳されたものから世界観を感じるのも素敵な体験になると思います。



●A5パネルダウンロード
「おちくぼ姫」A4パネルダウンロード
PDF版ダウンロード 1.1MB
png版ダウンロード 535KB

【お知らせ】
本屋大賞の発表会は2023年4月12日(水)13時よりスタート。