2023年第20回

2022年12月～2023年4月実施

2023年本屋大賞結果発表

「全国書店員が選んだいちばん！売りたい本 2023年本屋大賞」の発表会を、4月12日（水）明治記念館にて行いました。

一次投票には全国の471書店より書店員615人、二次投票では333書店、書店員422人もの投票がありました。二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票しました。

その結果、2023年本屋大賞に『汝、星のごとく』凪良ゆう（講談社）が決まりました。

大賞

443.5点

汝、星のごとく

凪良ゆう（著）

講談社

2位
388点

ラブカは静かに弓を持つ

安壇美緒（著）

集英社
3位
337点

光のとこにいてね

一穂ミチ（著）

文藝春秋
4位
307.5点

爆弾

呉勝浩（著）

講談社
5位
254.5点

月の立つ林で

青山美智子（著）

ポプラ社
6位
244点

君のクイズ

小川哲（著）

朝日新聞出版
7位
232点

方舟

夕木春央（著）

講談社
8位
225.5点

宙ごはん

町田そのこ（著）

小学館
9位
224.5点

川のほとりに立つ者は

寺地はるな（著）

双葉社
10位
86.5点

#真相をお話しします

結城真一郎（著）

新潮社

翻訳小説部門

「翻訳小説部門」、今年1年に日本で翻訳された小説（新訳も含む）の中から「これぞ！」という本を選び投票したもの。第1位には、『われら闇より天を見る』クリス・ウィタカー（著）、鈴木恵（訳）、早川書房が選ばれました。

1位

われら闇より天を見る

クリス・ウィタカー（著）

鈴木恵（訳）

早川書房

2位

プリズム

ソン・ウォンピョン（著）

矢島暁子（訳）

祥伝社
3位

グレイス・イヤー少女たちの聖域

キム・リゲット（著）

堀江里美（訳）

早川書房

発掘部門

「発掘部門」、ジャンルを問わず、2021年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選びました。さらにその中から、これは！と共感した１冊を実行委員会が選出し「超発掘本！」として発表しました。

超発掘本

おちくぼ姫

田辺聖子（著）

角川文庫

【推薦者】高橋あづさ／未来屋書店名取店　（宮城県）

●推薦コメント

品出しの作業中に、ふとタイトルに目が行きました。そして、高校時代に読んだこの作品の思い出が蘇ってきました。
高３の受験生時代、なぜか自宅の本棚にあったこの作品をたまたま読んだのです。そして、その直後に受けた模試の古文の問題文が「落窪物語」。読みたてほやほやの私は淀みなく解答することが出来、なんと古文だけ満点を取るという偉業を達成させたのです。そんなことから、おちくぼ姫は私にとって特別な存在になりました。しかし大人になってすっかり忘れていた私に、本当に突然また姿を現しました。言うなれば運命の再会です。
改めて読み返してみると、今流行りの和製シンデレラストーリーではないですか。しかも、単行本の初版は私とほぼ同い年。それだけの年数が経っているにも関わらず、文章が全く色褪せていない。これぞ名作だと言える作品です。古典文学はハードルが高いけれど、このような現代語訳されたものから世界観を感じるのも素敵な体験になると思います。